センスのいらないUIデザイン(2) 行為の7段階理論

2011/10/12 日常

前回、「良いデザインの原則」を紹介しました。 今回は「行為の7段階理論」を紹介したいと思います

行為の7段階理論

こちらも良いデザインの4原則と同じくノーマンという人が考えた理論のようです。 人が作業する上で、どういうふうに行動しているかを表した理論です。 一つの目的があり、それがなんで達成できないのかを考えるときに役に立ちます。 行為の7段階はつぎの7個です。

  1. ゴールの形成
  2. 意図の形成
  3. 行為の詳細化
  4. 行為の実行
  5. 外界の状況の知覚
  6. 外界の状況の解釈
  7. 結果の評価

これを3つのグループに分けて紹介します。

  1. ゴールの形成
  2. 行為を行う3プロセス
  3. 評価を行う3プロセス

ゴールの形成

起こってほしいことを考える段階です。 大抵のアプリでは起動したときにすでにゴールが存在することが多いと思います。 また、1つのアプリの中に細かい沢山のゴールがあることもあります。 カメラアプリなら写真を取ることがゴールですし、twitterアプリならtweetすることや他人のtweetを見ることがゴールになります。

行為を行う3プロセス

実際に行為を行う

  1. 意図の形成
  2. 行為の詳細化
  3. 行為の実行

の3つのプロセスです。 行為を行うとき、まず何をしようかというのを考えます。 そして、その行為の詳細を決め、実行するわけです。

評価を行う3プロセス

行為を行ったあとの

  1. 外界の状況の知覚
  2. 外界の状況の解釈
  3. 結果の評価

の3つのプロセスです。 外界というのは自分以外、つまりアプリのことです。 行為を行ったあと、何らかのフィードバックがアプリから出ます。 そのフィードバックを知覚し、解釈することで自分の行為がどういう結果をもたらしたのかというのを知ります。

自分的使い方

なぜユーザーがアプリの機能を理解出来ないのかというのを考えるときに使っています。 それぞれをわかりやすく疑問文で書いてみます

ゴールの形成

このアプリでやることがわかりやすいかどうか

意図の形成

今の画面で、どんな操作をすることが出来るか

行為の詳細化

操作と行為を結びつけることが出来るかどうか

行為の実行

行為を行いやすいか

外界の状況の知覚

動作による変化(フィードバック)がわかりやすいか

外界の状況の解釈

フィードバックの意味がわかりやすいかどうか

結果の評価

アプリがどういう状況に変わったのかがわかるかどうか

すこし具体例を出してみます。 iPhoneを振ってキャンセルする機能がたまに付いているアプリがあります。 この機能はappleが標準アプリに入れていたりと推奨されていたりするわけですが、なかなか使う人はいません。 これはなぜなのか?を考えるときに7段階理論で順番に考えていきます。

  1. ゴールの形成 →動作をキャンセルしたい、と思う
  2. 意図の形成 →キャンセルするための方法を探したときに降るという行為は目に入らない

つまり、意図の形成がうまくできていないからキャンセルするときにiPhoneを振る人はすく このように順番に考えていくことで、ユーザーがどの部分で躓いたのか、どの部分を改善すれば良いのかがわかります。 仮にどこかに「動作をキャンセルするにはiPhoneを振ってください」という記述があれば

  1. ゴールの形成 →動作をキャンセルしたい、と思う
  2. 意図の形成 →キャンセするためには振ればいいというのを知る
  3. 行為の詳細化 →片手でもってiphoneを振ればいい
  4. 行為の実行 →実際に降る
  5. 外界の状況の知覚 →キャンセルするかどうかの選択肢が出てきた
  6. 外界の状況の解釈 →選択肢がでてきたというのがわかる
  7. 結果の評価 →キャンセルすることができる

という形になります。 しかし、これでも結構問題がある時があって、 行為の実行 →実際に降ろうとしたが、満員電車のなかで触れない状況だった 外界の状況の知覚 →降っている最中に小さな表示が出たとしても見にくくて気づくことが出来なかった といった可能性もあるわけです。

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